高い金属音が擦れ合う音が次々に響いて消える。
「まだだぁ!!おら、来い!!!!」
何時もの軟派な馬超とは違う、真剣そのものな彼が鍛錬所で
軍の一隊の訓練をしていた。
「そこは受け流して構えるんだ!!」
「は、はい!!」
屈強な兵士達でもやはり馬超を始め五虎将達には敵うはずもない。
皆、半分倒れそうになりながら馬超の指示を受けていた。
隣りで趙雲は苦笑しながらその様子を見ている。
風が吹き付けるたびに髪の毛が顔に貼りつき苛々している姜維はその様子を
見る事無く風と格闘していた。
趙雲が何かあったのかと馬超に問うものの空返事で何も。としか返っては来ない。
何時ものお調子者の馬超とは、かけ離れている。まあ、戦場では想像もつかないくらいに
真剣そのもので錦馬超と謳われるほどの武勇を持っているのだが。
日差しが照り付けて皆額から汗が噴出している。
馬超は兜を脱ぐと片手で強引に頭をがしがしと掻いた。綺麗な茶褐色の短髪が汗で
反射してきらきらと輝いた。
「よし。午前は此処までだ!!午後もぶっ倒れないようにしっかり飯を食っておけ」
馬超の一言に兵士達は倒れるように力尽きて地面にへたばった。
鍛錬が一時終わった事に喜ぶものや午後もあるのかと溜息を吐くものもいる。
と、隅にある鍛錬所の入口から誰かが入ってきたようだ。
足早に此方の方に近づいてくると他のものには目も暮れる事無く馬超に近づいてきた。
「孟起!!」
「か。如何したんだ?」
拭き布で顔の汗を拭いながら可愛らしい女の子を見下ろす。
と呼ばれた女は心配そうに馬超を見上げると目を細めた。
「あの…昨日の背中の…えっと、大丈夫なの…?」
はっきりと言わないだが、馬超はそれを読み取ると含み笑いをした。
にや、と笑うとわざと大きな声で答える。
「昨日の夜のあれか?」
「も、孟起!!そんなに大きな声で言わないでっ」
顔を真っ赤にして頬を膨らましながら周りを気にするに馬超は満足しながら
金色に輝く鎧を外すと衣を脱ぎ、上半身を露にした。
そうしてに背中を見せるようにほら、と後ろをむくと顔だけ此方に向けた。
馬超の背中には、獣に引っかかれたような痛々しく蚯蚓腫れになった筋が幾本も
つけられていた。血は出ていないが見るからに痛く、目を反らしたくなる。
は馬超の背中を見ると一層目を細めて馬超を仰ぎ見る。
「だ、大丈夫じゃないですよね…痛む…?」
恐る恐る背中に触れると熱を持っていて燃えるように熱かった。
馬超はの頭を優しく撫でると少しな。と微笑んだ。が、その後に大丈夫だという。
傍にいた趙雲と何時の間にか傍まで来ていた姜維が不思議そうに馬超の背中の傷を見ている。
「如何したんですか馬超殿、その傷」
きょとんとした顔で姜維が尋ねると馬超はの頭を撫でながらにやりと笑った。
「聞きたいか?」
「?はい」
「孟起!!」
「いいじゃないか。もう俺達の仲は皆に知れてんだ」
馬超のこの言葉に趙雲は事の経緯を理解して苦笑した。それをみると馬超は趙雲に目をやった。
「なんだ、もう分かったのか?」
「あぁ。…しかし、姜維には少しばかり刺激が強くはないか?」
「姜維も立派な男だ。大丈夫だろう」
いうなと抗議するの口を軽く手で抑えながら微笑する馬超。
姜維は分かっていないらしく、何ですか?と問いただしてくる。
そんな姜維に馬超は手招きすると耳打ちをした。
見る見るうちに顔を紅潮させる姜維。と変わらないくらいである。
そう。馬超の背中の傷は昨日の夜の情事を意味する。その傷が、どれだけ
激しかったのかを物語っている。
「孟起!!みんなに言わないでくださいよ!!」
「ならば何故皆といる今に此処へきたんだ?」
「だって…昨日…私すっごく引っ掻いてたし…心配で…」
もごもごと言葉を濁らせて俯くを愛しそうに抱き寄せながら微笑んだ。
「大丈夫だ。それに強く引っ掻いていたのはそれほど良かったって事だろ?
それならば此方も嬉しい事だ」
「孟起…」
周りに人がいる事も忘れて自分達の世界に入っている馬超たちに呆れて趙雲は
食事をとりに去って行った。姜維も同じく顔を真っ赤にしながら走って去っていってしまった。
「…誰もいなくなったな」
「…孟起?」
が馬超を仰ぎ見た瞬間に優しい唇が降って来た。
額から始まり、瞼、目、鼻頭、頬、そして口に。
一つ一つがとても優しく、愛しい。
馬超はをみると意地悪そうに微笑んだ。
「昨夜は強かったからな。今夜は優しくしようか」
「!?…今夜もするんですか…?」
「勿論だ」
「趙雲殿、馬超殿は毎日ああいうことをしていらっしゃるのですか…?」
「さあな。しかし、馬超の事だ。遣りかねんな」
「…お、大人ですね…」
「馬超が今日気合が入っていたのはこういうことだったのか」
趙雲はまた、苦笑すると姜維を促し食堂へと去って行った。
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相互記念に牡丹様に捧げます!!
遅くなって大変申し訳ありません<(_ _*)>
しかも…ばかっぷるでもなんでもねぇ。
ごめんなさい!!もちろんお気に召さなかったら返品可ですのでいつでも。
牡丹様、これからも宜しくお願いしますv
2005/2/6 *一葉*