「少しは良くなったか?」
昨日、馬超の所為で熱をうつされてしまった。
どきどきしていたのに、嬉しかったのに……。
悔しい。
「…ん」
自宅へ帰ることも出来なかったので馬超の家でもう一泊することに。
熱は思った以上に高いようだ。
意識が朦朧とするなかで、馬超が一生懸命看病してくれているのを見ていた。
罪滅ぼしのためだと分かっているけど…やっぱり嬉しい。
「額、冷やすか?」
「…ん」
丁寧に優しく看病してくれる。
馬超は慣れた手付きで布を絞るとの額に優しく乗せた。
の顔は真っ赤に上気していて、とても苦しそうである。
「…慣れてるわね…」
ずっ、と鼻水を啜りながら馬超を仰ぎ見る。
「何時も女の看病してんじゃないの…?」
皮肉交じりに言ってやると、意外な反応が返ってきた。
馬超は少し真剣な表情になると、近くの椅子に腰を降ろす。
「…昔、弟達が熱を出した時に、よく看病してやっていた」
悲しい笑みを浮かべてに笑い掛けた。
「………ごめん…」
「…いや」
「「………」」
あっ…嫌だな、この沈黙。
何か話さなきゃ。
「…馬超」
「あ?」
「何かお話して。きつ過ぎて寝てられないわ」
馬超は眉根を少しよせてを見た。
こういう時は無理にでも寝かせた方がいいのか…?
馬超は小さな溜息を吐くと椅子を寝台によせた。
肘を膝に乗せると顎を手に乗せるかたちでに微笑みかけた。
こいつは一度いったら聞きやしないからな。
「何を…話そうか」
昔の女の話でもしてやろうか?と悪戯っぽくいうと、は無言の
オーラで馬超を黙らせた。
「じょ、冗談だよ」
「ならいいけど」
「嬉しかったからな」
「え?」
急に、馬超がいった。
意味が分からず、すぐに問い返すと馬超は今までに見た事ない優しい顔で微笑んだ。
一瞬、心臓が止まるかと思った。
今までに見た事ない馬超の笑顔から目が離せない。
「お前が、俺が熱だと聞いて来てくれた事、本当に嬉しかったから」
「………」
「…何か言えよ」
「あ、…うん」
「それだけか?」
「…だ、だって…」
もごもごと言葉を濁らせてはっきりと言わない。
馬超は、なんだとを促した。
「…なんでもないわよ」
「何だはっきりいえ」
心配だった。…なんて恥ずかしくて言えない。
馬超はぐいっとに顔を近づけた。これにまたどきりとしてしまう。
心臓に悪いなぁと思いつつも目を離すことが出来ない。
目を反らしたら負けだと自分で勝手なルールを創っていた。
ふと、間近で馬超が急に真剣な顔になった。
一瞬固まってしまった。
「…言わないと」
「…な、何よ…また熱うつるわよ…」
真剣な顔で言うから、此方も何となく身構えてしまう。
身構えていたにもかかわらず、気が付くともう事は終わった後だった。
熱の所為で全ての反応が鈍いようだ。
ちゅっと軽い音がしたかと思うと馬超はの綺麗な形の唇から己のをゆっくり放す。
馬超の長い睫毛が自分の目の前にあった。
「いただき」
「………」
抗議する事も忘れ、馬超を見つめていた。
馬超はまたの目の前で笑うと何もなかったように元の位置に戻った。
「………」
「どうした。何ならもう一回しようか?」
「…!!っ何すんの…!っつ…」
大声を出した所為で頭に響いてしまい、は頭を抱えて黙り込んでしまった。
馬超は笑みを消し大丈夫かと問う。
「…誰の所為だと思ってんのよ…」
「其れもそうか。すまん」
は大きな溜息を吐くと馬超を仰ぎ見た。
熱の所為で上気した顔、潤んだ瞳。
今度は馬超がどきりとする番だった。
「……城へは…?」
「…今日は行けんと連絡させた」
ついでにお前のも言っておいたぞ、と馬超は付け加えた。
馬超は、優しい表情をしていた。
「…きっと噂が立つね」
「あぁ、…まぁ俺はかまわんがな」
「……。いいの?可愛い女の子達が悲しむわよ…」
「…。お前俺を何だと思ってるんだ?」
小さく溜息を吐きながらやれやれといった表情の馬超。
はそれを見ると安心したように目を瞑った。
「…馬鹿」
「………」
反論する代わりに額を突っつかれた。
馬超の匂い。
馬超の体温。
馬超の、優しさ。
全てが嬉しくて。
「もう寝ろ」
「…うん。……馬超…」
「なんだ?」
「………」
「……?」
「………」
「……。お前が起きるまでずっと此処にいるよ」
「…うん。馬超、おやすみなさい…」
「あぁ、おやすみ」
――有難う。
この言葉を発せられることなくは意識を手離した。
馬超は布団にそっと手を伸ばすとの手を優しく握った。
「此処にいる。お前の傍に…」
――これからもずっとだ。が、飽きるほど傍にいよう。
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「熱の所為?」の続きです。
なんか最後、無駄に甘いよね…(ーー;)
ヒロインも馬超もキャラかわってない?(汗)
しかも短いなぁ…。
もっと長い文が書けるようにならねば!!
ここまで読んで読んでくださって有難うございます(*´∀`*)
2005/3/22