「好きってどういうことだ?」






気付いた気持ち







突然、ナタクが問うた。

私は驚いて、していた作業を止めてナタクを見た。
ナタクは無表情のままを見下ろしている。

どうしたというのだろう。

ナタクと一緒にいて世間の事を色々と教えることはあっても
こんな人間らしい事を聞いてきた事は一度もなかった。

この間、太乙に聞くにはナタクは今色んな事をしろうとしている
らしいけど。

それもそのひとつだろうか?


「…ナタク、ちょっと此処に座って?」

「む」

ナタクは素直にの横に腰を降ろす。

「急にどうしたの?」

「太乙に聞いても、ふざけた答えしか返ってこない。
だからお前に聞こうと思った」

ナタクは吹いてくる風を気持ちよさそうに感じながら
前を向いて話しだす。



「いつも一緒にいたい。他の奴と話してたらむかつく。一緒にいると
うれしい。守ってやりたいと思う。……これは何だ…?」

本当に、本当にナタクがこんな思いをしている人がいるのなら、
きっとナタクはその人に、恋してる。

……………。

「……?」

はナタクに呼ばれて慌てて返事をする。

「えっ!?…あ、…。その気持ちが、好きって事だと、思うよ」

「そうか」

ナタクは納得すると独り言を呟いた。

「…これが…『好き』なのか…」


ナタクが、誰かに恋をした。

正直に言って、傷ついてる自分がいる。
胸に、ぽっかりと穴が空いたような気分だ。

私は太乙がナタクを崑崙に連れて帰ってきた時から一緒にいる。
太乙と一緒にナタクを私たちの元で修行させた。

素直じゃないけど、とても優しいナタク。

これは、子供を手放す親のような気持ち?
だから寂しいの?

…否、私の気持ちは…恋。









「この気持ちが好きって事なら……、お前の事、好きだ」

「……え……」

は思わずナタクを凝視してしまった。
ナタクは構わず続ける。

「うん、好きみたいだ」

「…それは、子が親を思う気持ちじゃ、なくて?」

「??、難しい」

ちんぷんかんぷんだとでも言うように難しい顔をするナタク。

「…えっと、ナタクのお母さんに対する好き…じゃなくて…?」

「違う。お前と一緒にいたいと思う」

まっすぐ、ナタクはを見ながらいう。

信じられない…。

「……本当……?」

目頭が、熱くなってきた。

「む」



ナタクがを見て、驚いた表情になった。

「……なんで、……泣いてる?」

「…あっ…」

の目から落ちる一滴の涙を見て、ナタクは悲しそうに言った。

「……哀しいのか?」

違うよ。

「…違うの…」

人間ってね、

「………?」

嬉しい時も、涙が出るもんなんだよ。

「嬉しいの」

「…そうか」

ナタクはの涙を指で優しく拭いながら言った。


「嬉しい時も…人は泣くんだな」


「…ナタク、大好き」

「…だいすき…?」

「そう!好きって事よりもっともっと好きって事」

ナタクが、笑った。

「そうか。なら俺は大大大好きだな」


ナタクが気付いた気持ちから、私も気付いた恋。

この気持ち、絶対大切にしよう。



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ナタクv漢字でらんがな!

私が封神演戯で一番初めに好きになったキャラです。
今でも大好きですよ(*´∀`*)

文才がないから、書きたいことがまとまりません!(泣)
でも、ここまで読んで下さって有難うございます!

2005/3/29