「、おいで」
差し出された手はいかにも白くか細い。
この腕の何処から自分を抱き上げる力があるのだろうと何時も、考えてしまう。
しかし、其の腕は私をしっかりと捕らえて離さない。
私の唯一安心できる、居場所。
みゃぁ。
「?何だ其れは」
「これですか?朝、拾いました」
笑顔で見せるに郭嘉は呆れた顔を返した。
の腕の中に居るのは小さな未だ幼い真っ白な子猫。
既に懐いているらしく大人しく腕の中に収まりみゃぁみゃぁと鳴いている。
子猫を抱いたまま郭嘉の目の前に持っていくと寄るなと言わんばかりに
嫌な顔をされて手で追い払われてしまった。
むっとした顔を向けると「苦手なのだ」と苦い顔をする。
郭嘉は城へ勤めの無いときでも何かしら自室で作業をしている。
卓には何時も大量の書簡が山積みにされているのだ。
そして今日も胡座をかき、机に向かい書簡に筆を滑らせている。
は其れをつまらなそうに見つめていると不意に郭嘉が顔を上げる。
「何だ、暇なのか?」
「…私と共に居る時ぐらいお仕事の事は忘れて欲しいです…」
「…そうだな。すまん」
が言ったのをきっかけに郭嘉は筆を硯に置くと一息吐いた。
みゃぁ。
「其の猫、如何にかしてくれないか?」
子供が嫌いな食べ物と睨めっこするように郭嘉は子猫をじっと見る。
其の姿が何時もとは全然違ってとても可愛くて、幼くて、愛しくて。
他の人間の前ではこういう表情は一切無いらしい。前に、司馬懿と
話している時に聞いた事がある。女に色目を使う事はあっても素のままの
表情は中々見られないという。まぁ、色目を使われても困るし問題なのだが。
「御免なさい。侍女さんに見てもらうわね、ちょっと待ってて下さい」
は猫の顎を撫でながらそのまま部屋を出て行った。
「遅くなって御免なさい。中々侍女さんが見つからなく…て…」
が部屋へ戻ると郭嘉は茶を暢気に啜っていた。
「遅かったな。の分も淹れてもらったぞ。冷めない内に
飲みなさい」
此処から改めてみる郭嘉はやはり美青年だ。整った眉も切れ長の目も
全てが美しく見えてしまう。悔しい程に。
「…如何した?私の顔がそんなに美しいか?」
爽やかにの表情を窺いながら自信満々にいう。
は顔を真っ赤に紅潮させて否定した。認めるのは悔しい。
「ち、違います!!」
頬を膨らませながらいうに微笑みながら郭嘉は手招きした。
「、おいで」
一瞬、心臓が飛び出るかと思った。
其の顔が、姿があまりにも綺麗で美しくて、儚くて。
何故か、涙が出そうになった。如何したんだろう、今日の私は。
大人しくそろそろと近くによると、郭嘉はもう一度微笑んで自分の膝をぽんぽんと
二度叩いた。此処に座れという事なのだろうか。
が躊躇っているので郭嘉は急かすようにの細腕をぐいっと引っぱった。
「きゃっ」
が可愛らしい声を上げると郭嘉は満足そうに微笑んでを腕の中に納めた。
郭嘉の胡座の上には郭嘉に背中を向ける形でちょこんと座らされた。
「……奉孝様…?」
が郭嘉の方を振り返ろうとするとそれを郭嘉は手で制すると返事の代わりに
を強く抱いた。
「やはり、と居るときが一番落ち着くな」
思ったより直ぐ耳元で聞こえる程よく低い郭嘉の声。
「…本当ですか?…嬉しい」
素直にありのままの気持ちを伝えると郭嘉はの頭を撫でた。
は嬉しそうに、しかし恥ずかしそうに照れ笑いをした。
「今日は素直だな」
「…いつもは?」
「自分でも分かっているのだろう?」
愉しそうに笑う。は怒って顔だけ郭嘉の方へ振り向くと拳を上げて威嚇をした。
顔は笑っているのだが。
「っもう!!意地悪!!」
「私は意地が悪いんだ。今頃気が付いたのか?」
「奉孝様の馬鹿!!」
「馬鹿…か。司馬懿のように堅物の事を馬鹿だと言うんだよ。知らなかったのか?」
言葉で郭嘉に敵う訳が無い事は分かっている。でもこのまま言い負かされるのは悔しい。
「〜〜〜!!」
郭嘉はころころ変わるの表情をにやにやと笑いながら見つめると、不意にの口を
人差し指で塞いだ。
「!?」
行き成り口を指で塞がれたかと思ったら次の刹那には…
ちゅ。
一瞬で離れてしまったのだが郭嘉は満足そうにの顔をみて笑っている。
「如何した?」
何事も無かったように白々しく聞く郭嘉。
行き成りの事で批難の声を上げることも驚く事も忘れてしまったようだ。
はただただ目を一杯に見開いていた。
自分から誘ってくる事も絶対無く、未だ、経験も殆ど無い恋人。
今までの女達とは全く違う。外見は大人なのだが中身はまだまだ子供のようだ。
しかし、と居ると今までの女達との交わりが全て馬鹿馬鹿しく思えて仕方が無い。
初めは只幼いとしか印象の無かった女なのだが、この私が何時の間にか夢中になってしまっていた。
…不思議な子だ。
の顔は見る見るうちに上気して紅潮した。
「…!!…ほ、奉孝様…!!!!」
行き成りなんて反則ですと顔を真っ赤にして郭嘉に詰め寄る。声が上擦っている。
郭嘉はの言葉に目を丸くして驚いたが刹那、弾かれたように笑い出した。
急に声を上げて笑い出す郭嘉には訳が分からなくなり混乱する。
一通り笑い終わると目尻に浮かんだ涙を拭い、を自分と向かい合わせになるように
膝の上で回転させる。
「…久しぶりにこんなに笑ったぞ」
「っ何なんですか!!如何してそんなに笑うのですか!?」
真面目に郭嘉に怒るの腰に腕を回して引き寄せると如何にも愉しそうに
くつくつと喉の奥で笑った。
「行き成りは反則なのだろう。ならば、『今からします』といってすればいいのか?」
「!!!!…そういうことを言っているのでは…」
ごもごもと次第に口篭もっていくは郭嘉の胸の中で小さくなっていった。
そういうことではなくて、只行き成りだとちゃんと郭嘉を感じる事が出来ないから…。
もっと郭嘉と共に居る事を感じたいから。
自分の中で小さく収まってしまったを見て郭嘉は優しく微笑む。しかし、表情とは
裏腹にまた意地悪な事をいう。
「よし、『今からします』。…言ったぞ?これで問題ないな」
言ったのとほぼ同時にを身軽に抱きかかえると立ち上がった。
「ひゃぁ!!」
「可愛らしい声を上げるな、よし」
何がよしなのかは分からないが、郭嘉が向かった先は……
の予感は当たった。
郭嘉はを寝台に降ろすとそのまま押し倒して組み敷いた。
反抗しようと暴れるものの全く意味を成さなかった。
悪戯な笑みを向けるとの額を優しく撫でる。
「っ…奉孝様…」
「そんなに怖がらないでくれ」
其の額に優しく口づけするとの身体は飛び跳ねる。この娘は実に面白い反応ばかり
してくれる。もっと悪戯をしたくなるではないか。
郭嘉は不適に笑うと、もう一度の口を塞ぐ。
今度は軽いものではなく、深く、甘いもの。
「…っ奉、孝様…」
随分長く息が出来ない。苦しい。郭嘉から逃げるように顔をずらすと漸く郭嘉は唇を
開放してくれた。
「…はぁ、はぁ…」
「すまぬ、苦しかったか?」
郭嘉の、優しい言葉には滅法弱いんだと自分で自覚している。
は涙目になった顔で郭嘉を見上げるとふるふると小さく首を振り、大丈夫。と答えた。
それを確認するとまたの額に唇を落とす。
今度は恥ずかしそうにくすぐったいと言ってはにかんだ。
二人で居るときが私の一番の幸せだ。
郭嘉は悪戯心に魔が差し、の唇を塞ぐと片手をの着物の合せ目まで持ってきて
一気にずらした。矢張り手際は恐ろしく良く、早い。
「!!!!ほ、奉孝様っ!!!!」
の右肩は露になっている。郭嘉はの唇から徐に下へと降りてゆくと真っ白で
華奢な首や鎖骨に次々と愛印を残していく。
露になった肩にはこれでもかというくらいに朱をつけた。
「…奉孝様…っ!!」
「」
大丈夫だと怯える子供をあやすように優しく名前を囁き、笑顔を向ける。
郭嘉の手がもう片方の肩に伸びてすっと衣を降ろす。
はひたすら目を強く瞑り、羞恥心に耐えている。
郭嘉はの双丘に手を伸ばすと愛撫を始めた。
…が。
かさかさ。
がりがり。
「……?」
扉の向こうから奇妙な音が聞こえる。郭嘉は愛撫の手を止めると扉に注目した。
も郭嘉が見ているほうを確認すると自分もそちらへ注意を向ける。
がりがり。
「なんだろうか」
郭嘉はを見下ろすと不思議そうに問うた。
其の視線に紅潮しながらも答える。
「……さぁ…誰か、居るのでしょうか」
みゃぁ。
「…!!あっ子猫だ!!」
はこの場から脱け出そうと急いで衣を羽織ると一瞬の隙に郭嘉から脱け出し、
扉へ急いだ。
「………」
郭嘉はつまらなそうな顔をすると、そのまま寝台に横になって溜息をついた。
逃げられてしまった。まぁ、時間はたっぷりとある。
、私からは逃げられんよ。
私の愛からは、絶対に。
「申し訳ありません!!少し目を離した隙に逃げてしまいまして…」
「いいんです!!助かりました」
「?」
奉孝様の事、大好きだけど…もう少し待ってて下さいね。
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御免なさい!!!!(土下座)
先に謝っておきます(;゚ぺ)大変可笑しな文になってしまいました…(遠い目)
しかも、何が言いたいのかさっぱりですね。
ゑロなんて…エロなんて…書けませぇぇん!!!!
なんだこの中途半端な文はぁ!!一葉の馬鹿馬鹿!!(笑)
こんな微妙な物で良ければ死神様、受け取ってください!!!!(ペコッ)
あ、勿論返品可ですよ☆
これからも見捨てないで下さいね。・゚・(ノД`)・゚・。
ではでは、キリ番リクエスト有難う御座いました!!